6/01/2009

読了



 ★★★★  "The Namesake "by Jhumpa Lahiri  Photograph by Art wolfe/Getty Images  Designed by Shinchosha Book Design Division
 最近はまったジュンパ・ラヒリ。これといって大きな事件もなくただたんたんと、有名な文学者の名前を付けられたゴーゴリーとその家族の話。舞台はアメリカではあるが、彼らはインド人ゴーゴリーの世代はアメリカで生まれアメリカで育つ、でも母国とは言えない矛盾をそこかしこで感じた。ジュンパ自身もロンドンで生まれ育ったとのこと。主人公ゴーゴリーは世代が同じくらいだ。同じくらいのアメリカ人の知人もいるが、彼らと同じようで、でもコミュニティにまだ縛られる世代であり、複雑な情勢を抱えた国からの移住だからこそ(作者自身も)胸に抱えるものも多いのだろう。印象に残ったのは主人公が自分のことだと思った言葉
"ABCD"= American-born confused deshi アメリカ生まれで、わけが分からなくなっているインド系の人。
 水村氏の著作を読んだあとだからこそ、この本の感じ方もまた違った気がする。
 最後に この本の巻頭言 
『こうなるしかなかったと読者には言っておこう。この男には別の名前をつけることは考えられなかったとも言いたい。』
ー ニコライ・ゴーゴリー 『外套」

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