6/26/2009

読了


柴田よしき 
装画: 丹地陽子 装丁: 大久保明子
文藝春秋

★★★+半分かな
 多分シリーズになっていく。近未来のストーリーにしてあるけれど、柴田氏は現在を想定しているのだろうなと。
 ちりばめられた文章に、なんだか心動かされ、電車内で少し涙ぐむ。

 「絶望の正体は、神の裁きなんかじゃない。誤解や軽蔑や嫉妬、それらを生み出す、人の、弱い心そのものだ!目をあけて、空に飛び去ったものたちのかけらをちゃんと見て、そして呼吸しろ。。。」

 銀色の翼をきらめかせた鋼鉄の鳥が、青空の中にそびえる建物を破壊する様をじっと見つめた。
 そこに飛び立った数千の命が、たったひとつのことをサラに向かって叫んでいた。

 生きろ。
 

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